アルコール依存症と断酒会について

日本には240万人のアルコール依存症者がいると推定され、
その中で専門治療を受けているのはたったの2万人といわれています。

大部分の人はアルコールに対する認識の甘さゆえ、多くの問題を抱えながら
家族に放置されたり、飲酒による様々な身体合併の治療のみを繰り返して、
根本的な問題の解決に向き合わずに過ごしています。

アルコール依存症とは急性の病気ではありません

アルコール依存症は長い経過をたどりながら徐々に進行し、放っておくと問題が大きくなる病気です。長い経過をたどる原因は、本人や家族の病気に対する無知や偏見、否認のためだと思われます。アルコール依存症は病気ですから治さなくてはいけませんが、残念ながら「また問題なく酒が飲めるようになる」といった意味で完治する病気ではありません。ただし、複雑な障害からの回復がある病気です。

アルコール依存症からの回復には断酒の継続しかありません。

その継続のために病院での治療としては、外来あるいは入院での薬物療法、精神療法、酒害に関する学習などが行われますが、一人で断酒を継続し続けることはとても困難なのが実際です。

 

アルコール依存症に関わる問題行動で家族や友人から距離を置かれて孤立している患者さまが多いことは事実であり、治療と併せて人間関係を再構築していくことが、アルコール依存症治療の大切な側面です。

 

自助グループは、同じ問題に苦しんでいる人たちが集まり、「自」らを「助」け合う
グループです。同じ目標に向かっている
仲間の存在を知り、知識を共有するためにも、断酒会、AAなどの自助グループとつながりを持つことが望ましいと考えます。

当院では、旭川市内の断酒会の発足に現理事長が深く関わったという経緯から断酒会とのつながりが強く、アルコール依存症の患者さまの治療、支援で常に連携を取り、協力し合っております。

相川記念病院「謝恩同窓の集い」